何度だってキミに、好きを届けたくて。
「これじゃ、さすがに読むことができないから。……校長先生に、発表はしないって伝えることにするよ」

「そんな……」

「いいの。賞状だけは家に置いてあるから」



ははっ、と笑う。

こんなときに笑える自分が怖い。

でも、笑って吹き飛ばすしかないじゃん……。

本当は泣きたいくらい辛いけど、私が辛いなんて言っていられない。


頭の中に浮かぶのは病院で見た春佳くんの姿。

あの日以来、お見舞いにも行けていない臆病な私。

そんな私に、きっと天罰が食らったんだ……。



「書こう」

「え?」

「書き直そう。新しい作文を」



莉緒ちゃんは力強い瞳で私を見つめた。



「全校生徒の前で作文発表したよ、って伊吹くんに伝えに行こうよ」

「でも、賞を取った作文じゃないから……」

「そんなの関係ないよ。賞を取った作文を超える作文を書けばいいじゃん」
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