何度だってキミに、好きを届けたくて。
作文を読み終えた私。

体育館は拍手に包まれた。

ステージから見る景色。

全校生徒が私に向けて拍手を送ってくれている。


生徒の中には涙を拭っている人もいた。

心がじんわりと温かくなって、私まで涙がこぼれそうだった。


私は頭を下げる。

私の作文に耳を傾けてくれてありがとう。

想いを受け取ってくれてありがとう……。


頭を上げると、私の隣にマイクを持った校長先生がやってきた。



「伊織さん。今日は発表してくれてありがとう」



柔らかい表情を浮かべた校長先生の声が響く。

私はそんな校長先生に軽く頭を下げる。



「だけど、その作文はコンクールに提出した作文じゃないだろう?」

「……はい」

「最優秀賞を頂いた作文はどうしたのかね?」



……それは。

私は手に持っていたマイクを再び口元へ運んだ。

校長先生にも全校生徒にも届くように、声を出す。
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