何度だってキミに、好きを届けたくて。
「あの日。乃亜に告白されたとき、本当は超嬉しかった」



春佳くんは目に涙を浮かべながら、くしゃっと笑った。

病室に差し込む夕日が私たちを照らしてくれる。


2人だけの空間。

それがなんだか心地よく感じた。



「でも、俺は長く生きられないと思う。だから、乃亜の告白を断った」

「……うん」

「でも、本当は乃亜のこと、ずっと好きなんだ」

「うんっ、」


”好き”。

その言葉が胸に響く。


春佳くん、今。

私のことを好きって言ってくれた。

それが凄く嬉しくて、ただただ、頷くことしかできなかった。



「初めは俺の好きな本を読んでいる乃亜に興味を持って……。乃亜と話していると、自分が病気だってことも忘れてるほど楽しくてさ」

「うん、」

「乃亜は俺の太陽みたいな存在になっていて、気がついたら好きになっていたんだ」



私が太陽……?

春佳くんにとっても、私は太陽のような存在だったの……?


私は嬉しくて、言葉がでないほどの幸せな感情でいっぱいになって、泣くことしかできなかった。


そんな私を抱きしめる春佳くん。



「眞尋に、逃げるのか、って言われて思ったよ。……俺は、病気から逃げていただけだって」



春佳くんの背中にそっと手をまわす。

小さく感じる背中。

この背中に、春佳くんはひとりで抱えるには大きすぎるものを背負っていたんだ……。
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