何度だってキミに、好きを届けたくて。
「でも。もう逃げない」

「うん」

「病気を言い訳にして、乃亜から離れることはしたくない」

「……うん」



春佳くんが顔を上げる。

見つめ合う私たち。

春佳くんの頬が、赤く染まっている。



「俺は乃亜が好きだ。乃亜に届くまで何度だって言い続けるから」



春佳くんの想い。

届いたよ。

ちゃんと、私の胸に届いたよ……。



「私もっ。春佳くんのことが大好きだよ……っ」



私も、何度だって伝えるよ。

春佳くんにこの想いが届くまで。



「乃亜……。こんな俺と付き合ってくれる?」



少し不安げな春佳くんの表情。

私はふふっ、と微笑んだ。



「”こんな俺”じゃないでしょ? 私が好きなのは、”ありのままの春佳くん”だよ」

「乃亜、なんか変わったな」

「春佳くんが変えてくれたんだよ」



春佳くんと出逢ったから。

春佳くんと色んな時間を過ごしたから。

春佳くんを好きになったから。


私は変われたんだ。
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