何度だってキミに、好きを届けたくて。
「春佳。……元気になったか?」

「眞尋……」



遅れて病室にやってきたのは眞尋くんだった。

眞尋くんは莉緒ちゃんの様子に呆れた表情を浮かべていた。

それから、眞尋くんは口角を上げて笑った。



「地区予選、勝ったぞ。次の試合に出られるように、春佳も準備しとけよ」

「……おうっ」



眞尋くんは、ちゃんと地区予選で勝ったというお見舞いを持ってきたんだ。

私もお見舞いとして話せることがあるのなら。



「春佳くん、聞いてっ。あのね、」



私、作文コンクールで最優秀賞をもらったよ。

それでね。

全校集会で発表したんだよ。


興奮気味に話すと、春佳くんは意地悪く微笑んだ。



「その作文、俺も聞きたいな」

「えっ、」



私が全校生徒の前で発表したものは、春佳くんへの想い……。


それを今伝えるってこと!?

いや、そのつもりでいたけど。


でも。

今は莉緒ちゃんと眞尋くんがいるし……。
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