何度だってキミに、好きを届けたくて。
それから、春佳くんとは少しずつ話すようになった。

オススメの本とか交換したりもした。

春佳くんのお気に入りの本は私たちが話すきっかけとなった、”ノア”が出てくる女医さんの本みたいで、熱く語ってくれた。

それを聞くと、自分の名前を何度も呼ばれているみたいでドキドキした。



『乃亜、話聞いてる?』



夢中になって話す春佳くんに見惚れて話を聞いていなかったときは、私の名前を呼んでくれた。


名前を呼んでくれることが。

春佳くんの視界の中に私が入っていることが、凄く嬉しかったんだ。


そんな私の中学1年生のときから続く恋心……。
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