何度だってキミに、好きを届けたくて。
「は、春佳くんを好きになった日のこと……。思い出していたの」

「えーっ、マジ!? 私にも教えてよっ!」

「莉緒ちゃんっ、声が大きいよ……」

「わー、ごめんごめん」



私はしーっというように、口に人差し指をあてる。

莉緒ちゃんの声は大きかったけれど、試合に夢中なクラスメイトの耳には届かなかったようで、少しほっとした。


莉緒ちゃんは目をキラキラさせて私を見ている。

そんな莉緒ちゃんに私は春佳くんに恋した理由を話した。

莉緒ちゃんは『きゃーっ』とか言いながら、私の話を聞いてくれる。

『ドキドキするんだけど!』って莉緒ちゃんが言うから、私までドキドキしてしまった。



「そんなことがあったんだぁ。私、その場にいなかったのかなー」

「そのとき、お昼休みだったから……」

「えー。見ていたかったなぁ」



残念そうな顔をする莉緒ちゃん。

あの頃は、莉緒ちゃんとはまだ友達関係にはなれていなかったからなぁ。

でも、こうして話せる莉緒ちゃんがいてくれるから嬉しい。


そのとき、体育館に『かっこいいーっ!』という女の子たちの歓声が上がった。
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