何度だってキミに、好きを届けたくて。
「ねえ、乃亜」

「ん?」



莉緒ちゃんが小さな声でそっとささやく。



「乃亜は伊吹くんに告白しないの?」

「ええっ!?」



莉緒ちゃんの突然の言葉に私は驚いて、莉緒ちゃんに顔を向ける。



「乃亜、動揺しすぎーっ!」



こ、告白っ!?

春佳くんは私のことをきっと友達だと思っているから、春佳くんに告白したって叶わないのは目に見えているし……。

そんな私が告白したところで迷惑なだけなんじゃ……。



「告白する、しないは乃亜が決めることだけどさ。見ているだけの恋愛でいいの?」

「っ、! それは……」



”見ているだけの恋愛”。

それは嫌だった。

出来ることなら、望んでいいのなら、春佳くんの隣を歩いていたい。

彼女として見てもらえるなら、見て欲しい。


だけど。

告白するにはきっと、たくさんの勇気が必要で。


振られるかもしれない。

そう考えたら、私にそんな勇気はないよ……。
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