何度だってキミに、好きを届けたくて。
「まあ、私は乃亜が決めたことなら、どっちにしても応援するけどねっ!」



にかっと笑う莉緒ちゃんの笑顔に救われる。

心強い味方がいてくれて本当に嬉しい。

そう思っていると。



「乃亜ーっ! 俺の活躍見てくれてた!?」



試合が終わった春佳くんが、私の名前を呼びながら走り寄ってくる。

私に向けられた笑顔にドキッとしてしまう。

春佳くんが、私に向かってきてくれる。

だけど、どう反応していいのか分からない私は、座ったまま動けずにいた。


春佳くんが空いている私の隣にすとんっ、と座る。

莉緒ちゃんは、にまにましながら私たちを見ていた。



「スリーポイントシュート入れたところ?」

「そうそうっ!」

「ごめん、見てなかった……」

「えっ! 乃亜にかっこいいところ見て欲しかったのになぁ」



なんで。

なんで、春佳くんはそういうことを言うんだろう。

変に、期待しちゃうじゃん……。

春佳くんは私に”好き”とかそういう感情がなくても、私は胸がドキドキしてどうしようもなくなっちゃうのに。
< 27 / 187 >

この作品をシェア

pagetop