何度だってキミに、好きを届けたくて。
ガタッ。

春佳くんが椅子から立ち上がった音がする。


私も体育の授業の準備をしなきゃ……っ。


そう思って、机の上に出していた前の授業で使っていたノートや筆箱を片付けようとしたけれど、慌ててしまったことが悪かったのか。

私はお気に入りの花柄の筆箱を床に落としてしまった。

そう思ったときにはすでに遅くて。

筆箱のチャックが開きっぱなしだったため、中身は散乱。

派手な音を立てて、シャーペンや消しゴムが床に転がった。


うう、恥ずかしい……。

私は慌てて椅子から降り、シャーペンを拾おうと手を伸ばす。



「大丈夫?」



床にしゃがんだ私の目の前に差し出されたのは、大きな手のひらの上に乗った消しゴム。

パッと顔を上げると、春佳くんの柔らかい笑顔が目の前にあった。


ち、近い……っ。

春佳くんの顔が私と同じ高さにある。

急に胸がドキドキと音を立てる。
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