何度だってキミに、好きを届けたくて。
だけど、春佳くんは気にしていないようだった。

こんなに緊張しているのは私だけなの?


緊張している私に、不思議そうな顔をする春佳くん。

私は制服のスカートの裾をぎゅっと握りしめた。



「す、好きですっ!」



私の声は静かな教室に響いた。

春佳くんの顔は、怖くて見ることができなかった。


どんな表情をしているのか分からない。

どんな気持ちでいるのか分からない。

だけど、ちゃんと伝えたいことは伝えよう……っ。



「中学1年生の頃から、ずっと好きでしたっ」

「……っ、」



春佳くんが息をのんだ。



「私と付き合ってください……っ」



声が震えた。

心臓の音がうるさくて、めまいがしそうだった。

短い言葉だけど、この想いは伝えられたんだ……っ。
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