何度だってキミに、好きを届けたくて。
私ってこんなにお喋りだったっけ。

違う。

今は、自分が壊れないように、自分を守るために必死なんだ。

自己防衛の言葉ばかりが口から出てくる。



「乃亜……」

「あははっ。こんなことに時間使わせちゃってごめんね。早く、帰らないとだねっ」



私は春佳くんの横をすり抜けて、ロッカーから鞄を取り出す。

動揺しているのか分からないけど、鞄を落としてしまう。

いつもだったら、きっと春佳くんは『大丈夫?』って優しく聞いてくれていたかもしれない。

だけど、今は。

春佳くんになにも言われることもなく、私は黙って床に落ちた鞄を拾う。



「先、帰るねっ。わざわざ、ありがとうっ」



それだけ残して私は教室から飛び出した。
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