何度だってキミに、好きを届けたくて。
「乃亜……っ」

「……莉緒ちゃん」



不安げな表情をした莉緒ちゃんが、息を切らして立っていた。

私の顔を見るなり、走って私の席までやってきてくれる。

私の机の上に鞄を置くなり、私の肩を掴む莉緒ちゃん。



「その顔……っ」

「やっぱり、酷い顔してる、よね。……私、昨日、春佳くんに振られちゃった」

「っ、」



莉緒ちゃんの目に涙が浮かんだ。

泣くことをこらえているのか。

眉間にしわを寄せて、口をきゅっと結んでいる莉緒ちゃん。



「春佳くんの恋愛対象じゃなかったよ、私……」

「そんな……っ」

「そんなことあるんだよ。昨日言われたから、」



今にも涙がこぼれそうな私。

そんな私に気がついたのか、莉緒ちゃんは思い切り私を抱きしめてくれた。

気を遣わせたくないのに、気を遣わせちゃったかな……。

私は『ごめんね』の意味も込めて、抱きしめてくれる莉緒ちゃんの背中に手をまわす。
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