何度だってキミに、好きを届けたくて。
昨日振られてしまったけれど、今まで通り普通に話せるなら話したい。

……話しかけてもいいのかな。

春佳くんが教室に来たら、『おはよう』だけ言ってみようかな。

でも、やっぱり私なんかに話しかけられても困らせちゃうのかな。


そんなことを考えていたら、春佳くんが教室に入ってきた。

クラスメイトの『春佳くん、おはよっ』という声が聞こえる。

……私も『おはよう』って言いたい。


後ろの席に春佳くんがやってきたことが気配で伝わる。

振り返りたいけど、やっぱい怖い。

春佳くんに声かけても無視されたらどうしよう、と不安になる。

春佳くんはそんな人ではないと分かっているけれど。


……怖い。


結局、この日、私は春佳くんと一言も話せなかった。
< 43 / 187 >

この作品をシェア

pagetop