何度だってキミに、好きを届けたくて。
「伊織は本当にドジだな」

「ド、ドジじゃないもん……っ」

「いや、筆箱落とすとかドジだろ」



そんなに『ドジ』なんて言わなくても……。

自分でも慌てすぎちゃったところはあったとは思うけど、ドジではないもん。



「早く受け取れよ」

「……ありがとう」



眞尋くんから受け取るシャーペン。

眞尋くんはいつもこうだ。

私が少しミスすると、いつも意地悪を言ってくる。

優しい人ではあると思うけど、私にはあまり笑顔を見せてくれないから関わり方が分からない。

春佳くんとはよく笑い合っているところを見るんだけどな……。



「眞尋は乃亜に厳しすぎるよ」

「春佳が甘やかしすぎるんだろ」



そう言いながら2人は私が落とした筆箱の中身を一緒に拾ってくれる。

あとでもう一度、ありがとうって伝えよう……。


そう思っていると、遠くから微かに私の名前が聞こえた。
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