何度だってキミに、好きを届けたくて。
「眞尋くん」

「……なんだよ」

「ありがとう。大切なことを教えてくれてっ」



私は目に涙を浮かべながら、眞尋くんに笑顔を向けた。

久しぶりの心からの笑顔。

なんだか、すっきりした自分がいた。


眞尋くん、ありがとう。

そう思っていると、眞尋くんがぱっと、私から視線をそらした。

口を押えたまま、横を向く。

なにか呟いているようだけど、なにを言っているのかまでは聞えなかった。



「じゃ、じゃあっ。俺、部活に戻るから!」



眞尋くんは戸惑う私の腕から手を離して教室を出ていった。

取り残された私。


どうしたんだろう……?

顔赤かったけど、大丈夫かな?
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