何度だってキミに、好きを届けたくて。
学校に着いたら息が切れていた。

走ったおかげで遅刻はしなかったけれど、教室に入ったのは朝のホームルームが始まる10分前だった。


ロッカーに鞄を置いて自分の席に向かう。

私の席の後ろの春佳くん。

春佳くんはすでに席に座っていた。

眞尋くんと笑いながら話している。

急に心臓がバクバク鳴る。

今日こそ『おはよう』って言いたい。


い、言えるかな。

いや、言うんだ……。

でも……。


そんなことをぐるぐると考えていると眞尋くんと目が合った。

眞尋くんが私をじっと見るから、春佳くんも話をやめて振り返る。

春佳くんが気まずそうに目をそらしたのが分かった。

ズキッと心が痛くなる。

やっぱり……。



「伊織。……おはよ」



うつむきかけた私に挨拶をしてくれたのは眞尋くんだった。
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