何度だってキミに、好きを届けたくて。
もらった手紙を大切に手帳の中にしまう。

そのまま手帳のフリーページを1枚破り、私は春佳くんに返事を書く。



『手紙ありがとう。私、春佳くんと話せて嬉しかった』



そこまで書いてペンを止める。

自分の中で、この続きを書いてもいいのか迷いがあったけれど、やっぱり伝えたいことは書こう。



『今度のバスケ部の練習試合、応援に行ってもいいかな?』



書いた手紙をこそっと春佳くんの机の上に置く。

春佳くんの表情までは見なかったから、どんな反応が返ってくるか分からないけれど、こうやって手紙のやり取りをできるのもドキドキして楽しい。

再び春佳くんから肩をたたかれ、手紙を受け取る。



『もちろん! 乃亜に来て欲しい』

『じゃあ、土曜日の10時に行くね』

『あれ? 俺、練習試合の時間とか伝えたっけ?』

『眞尋くんに教えてもらったの』

『俺が教えたかったのに、眞尋の奴っ』



そんなやりとりをしていたらホームルームの時間が終わった。

教室がおしゃべりの声であふれ始めた。

私は何枚かのメモ用紙をすべて手帳に挟んだ。

これも大切な思い出だ……。
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