何度だってキミに、好きを届けたくて。
「伊織ーっ」



喜びに浸っていると、氷室先生に呼ばれる。

私は慌てて手帳を引き出しにしまい、教壇に立っている先生のもとへ行く。



「作文、書けてるか?」

「……あ」



忘れていた。

この1週間、作文なんて書けないと思っていたら、本当に書き忘れていた。

期待してくれていた先生に申し訳なく思う。

だけど、先生はそんな私を責めることなく『コンクール提出までに1週間しかないから頑張れよ!』と言って、教室を出ていった。


あと1週間……。

頑張ろう。

でも、テーマはどうしようかな……。

毎年フリーテーマの部門に先生が応募しちゃうから、テーマも考えなきゃいけない。

私は作文について悩みながら席に戻った。



「乃亜っ」



席に座ると同時に明るい声が聞えた。

ぱっと顔をあげれば、にこにこと嬉しそうな表情の莉緒ちゃんが立っていた。
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