何度だってキミに、好きを届けたくて。
「伊織さんって、ああやってわざと筆箱落としてんでしょ?」

「絶対そうだって! 天然キャラ作って、春佳くんと眞尋くんの気を引きたいだけだよ」



声のする方向をちらりと見れば、教室の入り口付近で私を睨んでいる女の子2人組がいた。

彼女たちだけじゃない。

教室を見渡せば、クラスの大半の女の子たちが私を睨むように見ていた。

怖くなってうつむく私。



「少し可愛いからって、調子乗るなって感じ」



そんな冷たい声が私の耳まで届いている。

私まで聞えているってことは、春佳くんたちも聞えているよね……。

巻き込んでしまってごめんね……。


春佳くんと眞尋くんは、クラスの人気者。

2人とも顔が整っていて、身長も高い。

学校1、2を争うイケメンと騒がれているくらい。

おまけに、勉強もスポーツもできるハイスペックだ。
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