何度だってキミに、好きを届けたくて。
結果は惨敗だった。

さすが強豪校……、というところもあったけれど、南部中学バスケ部を見れば悔しそうな表情をしていた。

私も悔しい気持ちでいっぱいだった。


結果を知るとギャラリーから降り始める女の子たち。

私もいつまでもここにいたら邪魔だから帰ろう。

だけど、春佳くんは大丈夫かな。

きっと、私以上に悔しい思いをしているよね。

私にできることあるのかな……。



そう思いながら、莉緒ちゃんと階段を降りる。

ちらりとコートを見ると、春佳くんの姿が見えた。

春佳くんの隣には、とってもきれいな女の子がいた。

その女の子は悔しそうな様子の春佳くんの背中に触れ、撫でていた。

ズキンッと心が痛くなった。



「あの子、男バスのマネージャーだよね。多分、名前は市川 愛美だった気がする」

「そうなんだ……」

「喫茶店の市川さんと同じ名字だから覚えやすかった」



市川 愛美さん……。

まるで絵に描いたような美少女。

スタイルも良くて、顔立ちもきれい。

遠くから見ていても華があるっていうか、その場を明るくさせるには充分な存在だと思う。

……あんなにきれいなマネージャーさんがいるなら、私の出る幕はないよね。
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