何度だってキミに、好きを届けたくて。
「莉緒ちゃん、帰ろう」

「えっ? 伊吹くんに声かけなくていいの?」

「うん。私は応援しに来ただけだから」



そう言って莉緒ちゃんと体育館を出ようとしたのだけれど。

私たちの目の前に立ちふさがったのは、ゴリ先生だった。


ゴリ先生って、バスケ部顧問だったよね……?

どうして私たちの目の前に仁王立ちしているんだろう。



「伊織。瀧本」

「「はいっ」」



授業の時とは違う、ゴリ先生の迫力に私たちは思わず背筋を伸ばす。


私たち、なにかしたっけ……?

そうお互いの意見を求めあうように、私と莉緒ちゃんはそっと顔を見合わせた。



「2人とも、応援に来てくれてありがとな!」

「え……?」



ゴリ先生の思いがけない言葉に私たちは目を丸くする。

ニカッと笑顔を見せたゴリ先生に戸惑う私たち。
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