何度だってキミに、好きを届けたくて。
そんな春佳くんと眞尋くんは、学年どころか、学校中の人気者。

後輩の1、2年生の女の子からも好意を受けているみたい。

ときどき、2人を見るために他の教室から女の子たちがやってくるもん。

だけど、そんなモテていることを自慢したりしない2人は男の子からも信頼されている。

本当にすごいと思う。



「あの人たちのことは無視して大丈夫だよ」



そう小さな声でささやいてくれたのは、春佳くんだった。



「乃亜を悪く言う人は放っておけばいい」



落ち込んでいる私の頭に、春佳くんはぽんっと手を乗せた。


気にする必要はないよ。

温かい手から、そんな言葉が伝わってくる。

触れる手が優しくて、伝わってくる言葉が優しくて、私の心は熱くなる。


そういうところ、本当にずるいよ……。

私の視界に睨んでくる女の子たちが入らないように、そっと動いてくれる春佳くん。

私を守るかのようなさり気ない優しさ。

だから、私は春佳くんに恋をしてしまうんだよ……。
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