何度だってキミに、好きを届けたくて。
「チームがピンチで士気も下がりかけたときに、お前たちの声が選手たちに届いたんだ」

「……っ!」

「結果は負けてしまったけど、選手たちはやり切ったと思うぞ」



そう言ってゴリ先生は私たちの肩をぽんと叩いてから、バスケ部の選手のもとへ戻っていった。

顔を見合わせる私と莉緒ちゃん。

心に温かいものが残った。

声を出して応援してよかった。

私たちもやり切ったといえる、そんな時間だったと思う。



「乃亜」

「ん?」

「伊吹くんたちが解散になるまで、校門で待っていようか」

「……うんっ」



莉緒ちゃんの言葉に大きく頷く私。

やっぱりなにも言わずに帰るより、春佳くんに『お疲れ様』って言いたい。

私は莉緒ちゃんと校門で春佳くんを待つことにした。
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