何度だってキミに、好きを届けたくて。
「えっと、今日は、その。……ゆっくり休んでください」

段々と声が小さくなる私。

勢いで『お疲れ様でした!』なんて言ったけど、私、すごく恥ずかしいことしていない!?

春佳くんは同じクラスだから顔も知っているしいいかもしれないけど、他の人たちからしたら『誰こいつ? 待ち伏せ?』みたいになるよね。

絶対に変な目で見られた……っ。


恥ずかしさにうつむいていると。



「乃亜っ。今日の応援ありがとな!」



春佳くんの明るい声が聞こえて、ぱっと顔を上げる。

目の前にはいつの間にか、笑顔の春佳くんがいた。



「乃亜の声、コートまで届いて、すげー嬉しかった!」

「春佳くん……」

「瀧本さんもありがと!」

「私は別に」



莉緒ちゃんは春佳くんにお礼を言われるなんて思っていなかったのか、少し照れ臭そうだった。

私も、なんだか照れくさい。

自分の声が、改めて選手のみんなに届いていたかと思うと嬉しかった。


そんなにこにことしている春佳くんの隣に、突然現れたのは眞尋くんだった。
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