何度だってキミに、好きを届けたくて。
声のする方を見れば、愛美さんだった。

体育館で見た愛美さんは”きれいな人”っていうイメージだったけど、今見せる愛美さんの表情は”可愛い”という感じだった。

愛美さんはぱたぱたと走って春佳くんの腕に、自分の腕を絡ませた。



「春佳ぁ。一緒に帰ろ?」



ぎゅっと胸が痛くなった。

春佳くんにためらいもなく触れている愛美さんが羨ましい。

それ以上に、お似合いの美男美女だと思ってしまった自分が悔しい。


春佳くんの背中越しに見える愛美さんの表情。

自然と唇をかみしめる私。

あんな可愛い表情を浮かべることができる愛美さんを放っておく人はいないよね。


私は2人の姿をこれ以上見たくなかった。

帰ろう。

そう思ったその瞬間。
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