何度だってキミに、好きを届けたくて。
「ちょうど乃亜のこと考えながら走っていたから、一緒に走れるなら嬉しい!」

「っ!」



予想外の言葉だった。

私のことを考えながら走っていた……、ってなにを考えてくれていたの?

それを聞いていいものなのか。

分からないけれど、聞いてみたい。



「私のことって……。なにを考えてたの?」

「んー。走りながら話そ」



春佳くんはそう言ってゆっくりと走り出す。

慌てて私も隣を走る。

春佳くんはきっと私のペースに合わせて走ってくれている。

申し訳なさもあるけれど、春佳くんの隣で同じ時間を過ごせることが嬉しかった。



「乃亜と、あとどのくらい一緒にいられるかなってさ」

「え?」

「俺たち受験生じゃん? 高校は別々になっちゃうかもしれないし」

「……そうだね」



私たちは受験生。

中学生活は残り1年もない。

そう思うと凄く寂しかった。
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