何度だってキミに、好きを届けたくて。
「私も頑張るっ」

「頑張るって、もしかして、これからも一緒に走ってくれるの?」



春佳くんは冗談で言ったんだと思う。

決して運動神経もよくない私と一緒に走っても、体力がつくわけでもない。

だけど、私にとっては本気の言葉として受け取りたかった。



「春佳くんがいいって言ってくれるなら、一緒に走りたい」



春佳くんが私に目を向ける。

その表情は夜なのに太陽が昇っているかのように明るくて、私は引き込まれた。



「もちろんっ。一緒に走ろう!」



この日から、私と春佳くんの特訓が始まったんだ。
< 86 / 187 >

この作品をシェア

pagetop