何度だってキミに、好きを届けたくて。
だからいつも一緒に行動しているのかな。

なんだか納得。

幼なじみって、小さい頃から一緒に過ごしているっていうことだから、仲が良いイメージあるもん。


ひとり、納得している私にため息をつく眞尋くんは私の手元に視線を落とした。



「作文コンクールの提出するやつ?」

「そう。締め切りまで時間ないから」

「あっそ。……まあ、頑張れよ」



そう言って眞尋くんは私の席の横を通り過ぎていった。

通り過ぎる瞬間、眞尋くんは私の頭にぽんっと手を置いて軽く撫でた。

思いがけない出来事に私は思わず振り返る。

眞尋くんは何事もなかったように、自分の席へ戻っていく。


クールな眞尋くんはなにを考えているのか分からない。

きっと、頭を撫でたと思ったのは私の気のせいか、眞尋くんの気まぐれなのかもしれない……。


うん、気のせいだ。

私は気を取り直して作文に集中することにした。
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