何度だってキミに、好きを届けたくて。
「じゃあ、俺らは先に行くね!」

「もうドジするなよな」



そう言って春佳くんと眞尋くんは手を振って歩き出す。


もう。

眞尋くんは何度、『ドジ』って言えば気が済むんだろう。


って、それより!



「あのっ。助けてくれてありがとう……」



私はもともと小さい声をふり絞って、2人にお礼を言う。


届いたかな……。

不安に思っていると、春佳くんと眞尋くんが振り返ってにこっと笑顔を見せてくれる。

眞尋くんは相変わらず不愛想だったけど。



「どういたしましてっ」



そう輝くような笑顔を見せてくれる春佳くんに、またときめいてしまう。

それから眞尋くんと笑い合いながら、教室を出ていく春佳くんの背中をつい目で追ってしまう。

本当に太陽のような人……。



「のーあっ!」



ぽーっとしてる私の目の前に、ぴょこんっと現れたのは莉緒ちゃんだった。

ストレートの長い黒髪がさらりと揺れる。
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