何度だってキミに、好きを届けたくて。
「誘いに乗るメリットデメリットはあると思うけどさ、それを全部抜きにして、今自分がどうしたいか考えたら?」

「……」

「瀧本と喫茶店に行きたいのか、行きたくないのか。シンプルに考えればいいじゃん」



眞尋くんの言うことは最もだと思う。

だけど、自分の気持ちだけで決めて、後で後悔するのは嫌だ。

眞尋くんの考えでいえば、私は莉緒ちゃんと喫茶店に行きたい。

その反面、行ったことで作文を書く時間がなくなったら、それもそれで焦って苦しくなるんじゃないかと考えてしまう。


黙る私に再びため息をつく眞尋くん。



「はあ。……その中途半端な考え、瀧本に失礼じゃね?」

「え……」



莉緒ちゃんに失礼?

莉緒ちゃんが嫌な思いをするってこと?


ぱっと莉緒ちゃんの顔を見れば、曖昧な作り笑顔を浮かべているのは一目で分かった。

莉緒ちゃんのそんな表情を見たことがなかった私は、申し訳なさと同時に、自分がなにをどう言葉にすればいいのか分からなくなった。
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