お邪魔虫にハッピーエンドを



 口から心臓が飛び出そうってこういうことを言うんだと、胸に手を当てながら考える。

 どんなに深呼吸を繰り返しても鼓動は早くなる一方で、まだ景に会ってもいないのに頭が沸騰しそうだった。

(もう、そろそろで……)

 私が様子を確認しようと、門の影から身を乗り出したときだった。

(――……あっ、)

 それは、ほんの一瞬。
 時間の流れがゆっくりと感じられる瞬間のこと。

 帰路につく多くの生徒たちで溢れかえる景色の中に、景の姿がはっきりと見えた。



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