お邪魔虫にハッピーエンドを



 景と同じクラスメイトの白田こころさん。

 見かけるときはいつも教室の隅の席で本を読んでいる女の子。

 垢抜けていたりオシャレな子が多い印象の中央高校では、少し珍しいぐらいに大人しめな格好と雰囲気の白田さん。


 白田さんは、景の好きな人だった。

 すぐにわかった。
 聞きたくなかった。なのに、聞いてしまった。

『景の好きな人って、同じクラスの白田さん?』
『……ほんと、杏子に隠し事はできないな』

 さすが幼なじみと、景は笑った。

 ううん、違うよ。ぜんぜん違う。
 私が景の幼なじみだからじゃない。

 私も景が好きだから、わかったんだよ。


 そして、気づきたくなかった事実はもうひとつ。

 変なところで二人は似ていた。
 もう、どうしてこんなことばかりすぐに気づいちゃったんだろう。

 それは一方通行の想いなんかじゃない。
 白田さんも、景が好きだということに、私は気づいてしまった。
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