お邪魔虫にハッピーエンドを
でも、結局……私の牽制なんてあってもなくても、結末は変わらなかったんだ。
景は白田さんが好き。
白田さんは景が好き。
二人の間に私が割って入って掻き乱しても、その事実は覆せない。
むしろ、白田さんに決意づけるきっかけを作ってしまって。
バレンタインデー当日、景と白田さんは晴れて恋人同士になった。
邪魔をしていた自覚がある私には、同情される資格もない。
「――やっと振られたんだ、桜葉に。きみの一生懸命な邪魔も虚しく。残念だったね」
だけど、鉢合わせた蓮見くんからの嫌味を素直に受け入れるほど、私の景への想いはしつこいくらいに薄れていなかった。
そもそも私は、景に告白できなかった。
そう、告白すらできないで失恋した。
たとえば白田さんが少女漫画の主人公ならば、それはまぎれもないハッピーエンドで。
敗れた私は、失恋確定したライバルポジションなのかな。
あーあ、こんなときでも少女漫画脳の自分が嫌になる。