お邪魔虫にハッピーエンドを
「…………というか、ごめん杏子」
「え、なにが?」
「あたしさ、ビデオ通話とかで、いまの杏子ならいけるって焚き付けたりしてたでしょ。まさか桜葉が白田さんと付き合うなんて思ってもなかったから」
「ユキが謝ることないよ。というか、誰のせいとかでもないから。選ぶのは景なんだし」
それでもユキは責任を感じているような顔でカフェラテに口を付けていた。
私に気をつかってくれてるんだろうけど、本当にユキが謝る理由は何一つない。
「にしても白田さんか。正直あんまり知らないんだよね。図書委員だったってことくらいしか」
「私も、そこまで知らないよ。たまに嫌な牽制で話したくらいで」
「あー、牽制ね。前の杏子を知ってるあたしとしては、ちょっとびっくりだけどね」
「……だよね。はああ……本当に、性格悪すぎるし、やってること最低だったし」
失恋して、少しずつ。
冷静になってきた私は、自分の意地の悪い立ち回りを振り返っては嫌気がさしていた。