お邪魔虫にハッピーエンドを
教室は二階。
向かう場所は同じということで、私は蓮見くん、コータくん、宇賀時くんと階段をあがっていた。
(といってもコータくんがマシンガントークしてるだけで、ほかの二人はほぼ会話に入ってないけど)
でも今は、それがありがたかったりする。
「ちょっと、杏……!」
階段をのぼりきったところで、待ち伏せをしていたらしい女子たちに声をかけられた。
一年の頃にグループが一緒だった子たちだ。
その中でもリーダー的な立ち位置だったゆっちが私の肩を掴んでくる。
「ゆっち、おはよう。クラス離れちゃったね、みんなも」
「たしかに離れちゃったけど、それどころじゃないじゃん!」
「どうしたの、そんなに慌てて」
「どうしたのはこっちのセリフだっての。なんで景くんがあんな地味子と付き合うことになってるわけ!?」
「えっ」
なんでゆっちがそれを……。
ほかの子たちの顔を見ると、誰もが「納いかない」と言いたげだった。