真っ赤ないちごくんの可愛い溺愛
笑顔で頬を寄せ合う犬と周くん。お互いに信頼し合っているのがよくわかって、体中の疲れが剥がれ落ちるくらいに癒やされる。
なんとなく顔も似ている気がする。飼い主に似るっていうの、本当なんだなぁ~。
「えっと、送る、ね……?」
さらに追加報酬。昼休みに見せてもらった写真までじっくりと観察できる状態になった。
はぁ~~これで一ヶ月は癒やしに困らないよ……。
「ありがと~周くん。大事にするね」
スマホをぎゅっと握って、胸に寄せる。
癒やされすぎたわたしの顔は、さぞかしゆるゆるになっていることだろう。
変な顔になっているのは承知の上で笑顔を向けると、周くんは笑いを堪えるようにプルプル痙攣していた。
ひと思いに笑ってくれていいのになぁ。
「じゃあ、これからよろしくね~」
有明くんを待たせすぎるのも悪いと思ったので、用事が終わればわたしは踵を返す。
でも、ひらひらと振っていた手を掴まれたことでわたしの足は止まった。
「あ、の……っ」
周くんの真剣な表情。赤い頬が引き締まった空気を和らげる。
「どうしたの?」
まだ何か……あ~、見返りがなくて心配になってるのかな。
しょうがないな周くん。コレクションの中からとっておきのものを共有してあげようじゃないかっ。