真っ赤ないちごくんの可愛い溺愛


 そのままぐいぐいと整った顔が迫ってくる。


「めるは周に水着見せる気でしょ?」

「う、うん」

「見せて……どうすんの?」


 見せて……って。


 一緒に遊んで、それから。


 二人っきりになったら……。


 頭の中で、目を潤ませて赤面した一悟くんが思い浮かぶ。


 彼はわたしをまっすぐに見て、ゆっくりと距離を縮めて、わたしの体を触って――。


「……どうにか、させちゃいたいかなぁ」


 むしろ、そっちの方がメインでお願いしたいかもしれない。


 水場だったら、海やプールじゃなくてもいいかも……?


 そこへ、木葉ちゃんが大きく息をつく音がした。


「……やっぱり。あたしからめるに教えることなんて、なんにもないじゃん」

「な、なんで? そんなことないよ?」

「いい? める、あたしはね――」


 ジトーっと半開きの目がわたしを捉える。



「彼氏と一ヶ月以上続いたことがない」



 あ……そ、そうなんだね……?


 確かに直近の人は二週間くらいで終わってたような?


 一ヶ月以上粘らないと木葉ちゃんと仲良くなれないのに、もったいないことしてるよね。


「たぶん……あんたが周としようとしてること、あたしはやったことない。から、アドバイスできない」

「そっか~……うん、じゃあしなくていいよ?」

「は?」


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