真っ赤ないちごくんの可愛い溺愛


 優しく笑いかける。


 わたしが木葉ちゃんを頼りにしてたから、役に立たなきゃって思ったのかもしれないけど。


 そうじゃなくて、普通にお買い物を楽しむって方向に変えればいいだけだよね。


 木葉ちゃんのこういう真面目なところ、健気で可愛いなって思う。


 それを見る機会のなかった歴代の恋人達は本当に損をしてるよ。


「わたしに似合いそうな水着、一緒に考えてくれたら嬉しいな?」


 見開いた木葉ちゃんの瞳を見つめ返す。


 掴まれていた手の圧迫感が緩まっていくのを感じながら。


「しょ、しょうがないな……」


 言うと、パッとわたしから離れて水着を見繕い始める木葉ちゃん。


「ふふ、木葉ちゃんは水着買わないの?」

「買うけど……あたしは自分で選ぶからね?」

「え~なんでなんで! あ、こういうのとか、どう?」


 ホルターネックの黒ビキニを手に取った。


「ばかっ! いくらなんでも攻めすぎ!」

「え、そう~……?」


 似合うと思ったんだけどなぁ。


 木葉ちゃんはスレンダーで肌が白いから、見せていった方がいいのにね。


「あたしはいいって言ってるでしょ! えっと、めるなら……こういうやつがいいんじゃない!?」

 
 話を強引に変えたいのか、オフショルダーやビスチェの形をした水着をわたしの体に当てて見比べてくれる。


 わ、どっちもかわい~。


「これとか!? こっちとかね!?」

「え? わ、わ~!?」


 次々と差し出される水着達。見比べる余裕もないくらいにどんどん追加されていく。


「待って木葉ちゃん、そんなには」

「これも良い感じかもね!?」

「ねぇ待ってぇ~!?」





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