真っ赤ないちごくんの可愛い溺愛
へ~……会ってないときでも考えてるんだ。
なんか、わたしにとっての一悟くんみたいだね。
「どんなこと考えてたの~?」
「ん、いや、単に、どうしたら仲良くなれるのかと」
「そうだ。わたし木葉ちゃんと来てるけど、会ってく?」
「ありがたいが、また驚かせてしまうだろうから遠慮しよう」
それはそうかも。わたしも怒られちゃうだろうな。
会話をしたまま猫を見始めた有明くんの真剣な横顔を眺める。
今この瞬間も、猫を見てるんじゃなくて木葉ちゃんを思い浮かべてるんだ……ふ~ん。
「有明くんって、木葉ちゃんとどうなりたいの?」
でも、有明くんってどうしてそこまで木葉ちゃんと仲良くなりたいのかなぁ?
「え、どうって」
「友達?」
「あ、いや……近いが、少し違うな」
「じゃあ――恋人?」
わたしの質問に、有明くんは顎に手を添えて考え込む。
「どうだろうか……。なんというか、俺は……和泉さんの無防備な姿が見たいんだ」
「???」
「ほら、羽入さんには見せているだろう? こちらから行かずとも向こうから近付いてきて、足元にすり寄ってくるような……そんな感じだ」
「ふんふん、全然わかんないよ~」
「そ、そうか」
木葉ちゃんはそういうのとは違うって言うし、有明くんは意味のわからないことを言うし。
あんまり介入しすぎてもよくないのかもしれない。二人は、わたしの理解に及ぶ範疇にいないみたいだから。