真っ赤ないちごくんの可愛い溺愛
「まぁ気長にやっていこうと思う。その内、どうなりたいのか明確な言葉が見つかるはずだ」
「木葉ちゃんは夏休み中に彼氏を作るみたいだから、その内見向きもされなくなるかもしれないけどねぇ~」
「……意外と意地悪を言うんだな、羽入さんは」
「ん~? 意地悪だったかなぁ?」
難しいことばっかり言われて、嫌だったのかもね?
別に無理矢理くっ付けたいってわけじゃないんだけどね。
お互い矢印が向いてるようで向いてないようで……って複雑だから、ちょっとやきもきしちゃった。
「ぴったりな言葉が見つかったらわたしにも教えてね?」
「……あぁ、わかった。約束しよう」
「ふふ、やった~」
そうして会話を終えて、じゃあまたね~とその場を後にする。
来た道を戻っていると、若い女性と小さな女の子の二人組とすれ違った。
あ、さっき水場売り場にいた人達だ。
なんとなく目で追いかける。
二人は、有明くんの元へ一直線に向かっていた。