真っ赤ないちごくんの可愛い溺愛


 そう言おうとして口を開く前に、周くんの方から


「お、俺……欲張りなんです!」


 謎のカミングアウトをされてしまった。


 でも、よくよく考えればやっぱり対価がほしいってことらしい。


 見返りがほしくてやったことじゃなくても、何もないともやもやしちゃうもんだよね。


「うん、大丈夫だよ~。わたしもちゃんと……」

「だから、友達じゃ満足できないんです……っ!」

「……ん~?」


 首の傾げる角度がどんどん大きくなっていく。


 あれ、なんの話だったっけ。


 えっと、対価の話だったから……周くんは写真の対価が友達になることだと思ってるのかな。


 別にそれって対価でもなんでもないことだと思うんだけど……。


「ん~じゃあ周くんは、何かほしいものあるの?」


 聞いちゃうか。手っ取り早いよね。


 周くんは赤い顔でゴクリと唾を飲んだ。


「じ、じゃあその、羽入さんをっ」

「わたしにできる範囲だったらなんでもいいよ~」

「あ、いやそうじゃなくて……! 羽入さんのことが、ほしい、です」


 ……???


 意味を理解するのが一歩遅れた。


 最初は、本当に何を言っているのかわからなかった。


 でも、彼の耳まで染まった赤い顔とか、ぎゅっと目を瞑って強張ってる表情とか、汗がじんわり滲んでるとことか。


 そういう様子を見ていると、今までの経験から蘇るものがあったのだ。


 ポクポクポクポク…………チーン!


「…………あっ、告白?」


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