真っ赤ないちごくんの可愛い溺愛


 そのとき。


「羽入さん……すき」

「っあ……!?」


 たった一言で、ビリビリと全身を電流が駆け巡り、体が跳ねる。


 喜んじゃ、だめ、なのに……っ。


「あ……見つけた。羽入さんの弱点」


 嬉しそうな一悟くんの声色が、耳の中で反響した。


 それからはもう、されるがままで。


「すき」

「っん、ん、」

「すきだよ」

「ぁう、っ、っ、」

「すき、だいすき」

「~~っ、ぅあ、」


 身をよじっても追いかけてきて、快感から逃げられない。


 満たされすぎて、破裂しちゃいそうっ……。


「なんだ、こんな簡単だったんだ……」

「っ、はっ、は、いちごくん、もうおわるの……?」

「んーん、終わらないよ。……すーき」

「……っ♡」

「好きって言ってるだけなのに、なんでそんなにビクビクしてるの?」

「うれしい、からっ……」


 いつの間にかベッドにうつ伏せになっていたわたしの上を、一悟くんが重くのしかかってくる。


 シーツがしわくちゃになるくらい強く握っていた拳に、優しく長い指を被せられて。


 心臓の早鐘を深く感じた。


「……俺も、嬉しい」

「ほんと……? 怒ってないの?」

「……まぁ若干、これ以上のことしたのにおかしいでしょとは思ってるけど」

「えっと、ごめんね?」


 たぶんキスマークのことだろうけど……。


 無言で吸われるのと好きって言われるのじゃ、後者の方が嬉しくないかなぁ……?


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