真っ赤ないちごくんの可愛い溺愛
どうだっ……! 当たってろ……!
羽入さんの可愛い笑顔、戻ってきてください!
「……一悟くん……」
羽入さんは、目をうるうるさせて俺を見ている。
どっちの反応だ……!?
緊張感が走る。
モカの水を飲む音だけが、鮮明に聞こえてくる……。
「ピンポンピンポーン! はなまる~!」
「っだあぁ~……やった……!」
「正解者には、わたしからのラブを贈呈~!」
手でハートを作ってくれた。
なにそれ、可愛いね。
「こうして見るとほんとによくわかったね?」
身を乗り出して、羽入さんは自分のケチャップ文字をまじまじと見つめる。
少し恥ずかしそうに苦笑していた。
うん、羽入さんってその……結構不器用なところがあるんだなぁ。
なんでもそつなくこなせそうなイメージを勝手に持ってたから、新たな一面が知れて嬉しい。
拙いながらに愛の詰まった、羽入さんからのメッセージ。
「もったいなくて食べられないよ……」
そう溢せば、「えぇ~?」と珍しく嫌そうな声を出して羽入さんは顔を上げた。
「わたしは……一悟くんの綺麗なオムライスを汚しちゃったこと、ちょっと反省してるけどねぇ……?」
「よ、汚れって、そんなわけないよ?」
頑張って書いてくれた、その事実がこんなにも愛しいのに。
羽入さんは全然納得していない様子で、少し暗い表情のままイスに深く腰かける。
「だってこんなんじゃ、誰から見てもわたしが一悟くんを大好きだって伝わらないから……」
「え」
そんな理由で落ち込んでるの……?