真っ赤ないちごくんの可愛い溺愛


 木葉ちゃんは膝の上に乗せた拳を強く握りながら、



「だって有明は…………め、めちゃくちゃ、かっこいいじゃん」



 完全な脈ありセリフを呟いた。


 どうしてダメなのか、わたしには全く理解できない。


「めるにはわかんないだろうけど! 彼氏がイケメンだと、あたしには都合が悪いの!」

「モテるから嫉妬しちゃうとか?」

「わかるんかい! い、いや、それだけじゃないけど!」


 あ~、顔は好きだけど付き合えはしないって、そういうこと?


「有明はただイケメンなんじゃなくて、めちゃくちゃイケメンなの。イケメンすぎるの……っ!」

「彼氏が有明くんみたいな顔だったら及第点とか言ってなかった?」

「言うだけタダじゃんっ!」

「……え~っと」


 む、難しいなぁ……。


 一旦整理させてほしい。


 まず、木葉ちゃんは有明くんの顔が大好きで。


 脈も、あって。


 でも付き合うのはダメで。


 それは、有明くんがイケメンすぎてモテるのに嫉妬するからで……。


 ……う~ん?


「ねぇ木葉ちゃん」

「……な、なに」

「有明くんが他の人と付き合っちゃう方が嫌なんじゃないかなぁ?」

「え……!? えっ、あ、え……」


 ポカンと口を開けてフリーズする木葉ちゃん。


 開けっ放しの口から漏れるのは、


「……確かに」


 という肯定の言葉だった。


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