真っ赤ないちごくんの可愛い溺愛
「だよね?」
「……うん」
「なら、答えは一つじゃないのかなぁ?」
「あ……」
木葉ちゃんは項垂れる。黒髪が肩からこぼれ落ちた。
「める、あたしの家……親がめちゃくちゃ仲良いんだよね」
膝を抱えながら体を丸めて、一つ一つ話してくれる。
「彼氏がほしいのも、いつかああなりたいなって憧れがあるからなんだけど、今まで全然うまくいかなくてさ……」
そうして自虐的な笑みを浮かべると、わたしに寄りかかってきた。
「当たり前じゃんね。あたし、好きな人と付き合ったことないもん」
初めて見かけた木葉ちゃんはどこか達観していて、クールな女の子って印象だった。
話しかけてみても冷たく返されるから、他人には興味ないのかなぁ~って思ってたけど。
実は人見知りで、寂しがり屋で、自分を素直に表すのが苦手なだけの女の子だったりする。
諦めないで接し続けたから見つけた、木葉ちゃんの魅力。
「贅沢を言えば……有明とめちゃくちゃ付き合いたい」
可愛いところ。
わたしだけが知ってるのはもったいないよね。
「……いや恥ず」
「ふふ、可愛いよ?」
「うるさ……。これ、他言無用だからね。めるの前だから言ったんだからね?」
「おっけ~」
「あんたのそういうゆるいとこ、ちょっと信用できない」
「ひどいなぁ」
「でも……」
木葉ちゃんはチラッとわたしを見上げると、