真っ赤ないちごくんの可愛い溺愛
「……そういうめるだったから仲良くなれたのかもね」
言ってすぐ、真っ赤な顔を逸らした。
え、え~! 嬉しいこと言ってくれるなぁ~っ!
「ふふふっ、木葉ちゃんかわい~ねぇ~」
「あーもう黙って黙って黙って!」
腕に顔を埋めて、長い髪のカーテンを閉めて、木葉ちゃんは自分の殻に閉じ籠る。
わたしはそれを強引にこじ開ける。
わたし達が仲良くなった方法と、おんなじ。
「素直になった記念に、思いきって有明くんにも告白しちゃうのはどうかなぁ~? どうですか~?」
「うざいうざいうざいっ! 自分達を基準にしてもの言わないでよっ!」
うん、やっぱり。木葉ちゃんはスタートを切るのにもう少しだけ時間が必要だよね~。
背中を押す役目はわたしに任せてくれていいよ?
「ま、まずはデートに誘うとこからでしょ……」
「うんうん、いいね~! どこ行く~?」
「まぁ……今だと無難に夏祭り?」
「浴衣着ていっちゃう~?」
「別にどっちでも……」
「じゃあ着ちゃお~!」
二人(主にわたし)でえいえいおー! と拳を掲げて気合いを入れる。
木葉ちゃんの可愛い一面をたくさん引き出してくれる有明くんには感謝だねぇ~。
これからも、木葉ちゃんの可愛いところが発見できたらいいなぁ。
――その後、勇気の一歩を踏み出した木葉ちゃんから、
「め、めるっ……ずっとドキドキするからやっぱむりかもぉ……っ」
と泣きつかれるのはもう少し後の話。