真っ赤ないちごくんの可愛い溺愛


「っ、え、」

「はぁ、おいしー……」

「そ、そこ、」

「うん、ここが?」

「ぁう、ちょ、ちょっと待ってぇ……っ」


 掴まれた足は簡単には動かなかった。


 するする撫でる手がくすぐったい。


 きゅーっと甘さが迫り上がってくる。


 気持ちいいけど、もどかしくて、言語化するのが難しい。


「羽入さん……いっかい、おいで?」

「え……っ」


 一悟くんに誘われるがまま、ふわりと抱き寄せられる。


 耳に温かい息を吹きかけられて体が震えた。


「好き……はにゅうさん」

「!」

「大好き」

「ふぁ……」


 中低音の心地良い声に、体の力が抜けていく。


 ふわふわして、心も体も浮いたようになったとき。


 一悟くんがとろけるように目尻を下げて――




「――める、だいすき」

「あ、~~っ、だ、め、……っ!」




 一悟くんにしがみついて、甘く締め付けられる感覚に耐えた。


 めるって呼んでくれた、めるって呼んでくれた……っ!


 今までにない快感が恐ろしいほどに襲ってきて。


 目の前がチカチカと点滅する。


 ネットで見た知識だけじゃ全然補えない。


 想像に頼っても追い付けない。


 本物って、すごい……。


「はぁ、っ……は、」

「一旦休憩しよっか」

「だ、だめっ、やだやだ、続けて……っ」


 離れていこうとする一悟くんを引き寄せる。


 わたし、一悟くんに好きって言ってもらわないとダメな体になっちゃったの。


 ずっと、ず~っと、言ってほしいの。


「ね、お願い……」


 
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