真っ赤ないちごくんの可愛い溺愛


 一悟くんは驚いた顔で動きを止めたけど、すぐに笑顔に変わった。


「わがままな羽入さん、かわいい……」

「めるって呼んでっ……?」

「める……かわいいね」

「っ、ん、ん、」


 こくこくと頷く。


 そのとき、遠くの方で花火の音が聞こえた。


「める……大好き」

「っ、ふふ、うんっ」

「大好き大好き大好き大好き……」

「もっとっ」

「すき、すき、俺だけを視界に入れててほしいくらい大好き、俺にしかこんな可愛い姿見せないで」


 響く花火の振動が、衣擦れの音を消していく。


 見せないよ。見せるわけ、ない……。


「める、おいで」

「っ! わ、わ、」

「もっと気持ちよくなろ?」

「ふぁ、んん……っ」

「だいすき……頑張ろうね」


 一悟くんの優しい手があちこちをまさぐる。


 深く深く、熱が溶けて混ざり合う。


 普段の一悟くんじゃ絶対見せてくれない表情で、声で、わたしを求めてくれるから。


 クセになっちゃい、そう……。


「やわらか……」


 わたしの肌に指を沈めて呟く一悟くん。


 わたしを見ているようで見ていない気がして、ドキリと鼓動が鳴った。


 だけどそれも、花火の音でかき消される――。




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