真っ赤ないちごくんの可愛い溺愛


「――その代わり」


 わたしの手を取って、指に舌を這わせる一悟くん。


 その赤面が、可愛いと思うよりも先に色気を感じさせてきた。


 一悟くんって、こんなに大人っぽかったっけ……。



「ペットならこんなことしちゃうけど、いい?」

「あ、……っ」


 指と指の間を舌がうごめく。柔らかくてぬるぬるした感触が、ぞくぞくと腰に響いた。


 それはやがて輪郭をなぞるように手首に、腕に、肩に。


 本当に食べてるみたいに扱われている。


「んんっ……、ペットはこんなことしないよぉ……っ」

「……そうだね。だって俺は、めるの彼氏だから」

「っ、うぅ、呼んでくれ、た……」


 なんだかんだ結局は優しい一悟くんなんだ。


 だけど、優しくない一悟くんもいいなぁと思ってみたり……。


 優しい一悟くんにいじわるされたいと思うのは、おかしいことなのかな……?


「一悟くん……次は、優しくなくていいよ……?」


 一悟くんの首に手を回す。


 わたしばっかりじゃなくて、一悟くんにも気持ちよくなってほしいな。


「……わかった」


 情欲が滲んだ一悟くんの目が、わたしに近付いてきた……そのとき。



 ――ガチャガチャッ!



 鍵が開けられ、ドアの開く音がした。


 ……あ。


「親、どっちか帰って来ちゃったかも……」

「え……!?」


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